「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 越前がに豊漁で漁獲制限 福井県底曳網漁協 既に割当量5割
6日に漁が解禁された越前がにの豊漁が続き、15日までの福井県内の水揚げ量が、国に割り当てられた今季の漁獲上限の約5割に上ることが分かった。福井県底曳(そこびき)網漁業協会は同日、福井市内で役員会を開き、漁期(雄は来年3月20日まで)を通した安定供給に向け、漁船一隻当たりの水揚げ量を制限することを決めた。県によると、船ごとに越前がにの漁獲制限を行うのは初めて。
県水産課によると、解禁日の6日の県内の水揚げ量は、雄が約1万5300匹で昨年(約8200匹)の1.9倍、雌のセイコガニは約23万3300匹で昨年(約15万匹)の1.6倍。7日以降も豊漁が続き、三国港機船底曳網漁協所属の30代漁師は「今シーズンはセイコが異常に多い」と話す。
越前町の関係者によると10日までの競り値は、大ぶりの雄は高値で推移したが、サイズによっては昨年同時期に比べ2割ほど安くなるケースもみられた。セイコも小ぶりだと安くなっているという。
国は資源維持を目的に県ごとに漁獲上限を設けており、福井県の今季の割当量は雌雄合わせて341トン。県底曳網漁業協会によると、今季は15日時点で割当量の約5割が既に水揚げされた。例年は解禁日からの10日間で約3割という。県は、好天続きで出漁機会が増えたことや資源量の回復が要因とみている。
この水準が続くと、シーズン終了前に漁獲上限に達し越前がにの供給が途絶える可能性があり、同協会は対応を協議。安定供給のため、大型船(15~75トン)と小型船(9~14トン)に分け、それぞれ一律で今季の一隻当たりの水揚げ量に上限を決めた。
同協会の中野良一会長は「福井のブランドである水産資源を守りながら、シーズンを通して消費者に越前がにを味わってもらうための決断。漁業者は協力してほしい」と話している。