長年の経験と技術でカニの居場所探る
中野良一
トップページ > ニュース > 敦賀の紅ズワイ 急速冷凍 新返礼品 CFで支援を 福井県敦賀市、4100万円目標 生産体制構築へ
福井県敦賀市は地場産業である水産加工業の再興に向けた返礼品開発を目指す事業者を支援するため、ふるさと納税型のクラウドファンディング(CF)による資金調達に乗り出した。地元の沖合で水揚げされる紅ズワイガニを新鮮でおいしい冷凍品として全国に届けるための生産体制の構築資金として4100万円を目標に7月29日まで募っている。
返礼品開発プロジェクトのページによると、江戸時代に北前船の寄港地として栄えた同市は、高品質な水産加工品が地場産業として確立された。近年はふるさと納税の返礼品としてカニやエビを中心に全国的な人気となり、2021年度は約77億円の寄付を集めている。
一方、ロシアのウクライナ侵攻などの世界情勢によるエネルギー高騰や流通経路の不安定化による海産物原材料価格の上昇、地球温暖化による越前がにの水揚げ減少の懸念などから「安定的に敦賀の海産物を届けることが極めて厳しい状況にある」とする。
このため、市はCFで寄付金を集め、新たな返礼品の生産体制を構築する伝食(本社同市中央町2丁目)に補助金として交付。同社は、越前がにと比べ漁期が長く、近隣で水揚げされ安定的な漁獲量が見込める紅ズワイガニを急速冷凍する設備を導入する。
CFの返礼品には今回開発する「越前紅ズワイガニ甲羅盛り」など9千円~3万5千円の10品を用意した。
ふるさと納税の返礼品拡充などによる市内経済の活性化策を公募し、CFで集めた寄付金から補助金を交付する市の事業の採択第1弾。市の担当者は「地域の産業活性化や、新幹線開業を控え、新たな特産品が生まれたら」と期待している。
同CFページは、ふるさと納税ポータルサイト「楽天ふるさと納税」に掲載されている。