「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 返礼は東京で食す越前がに 福井県坂井市ふるさと納税 荒磯(ありそ)が提供、PR
JR東京駅などですし店「天然本まぐろ ありそ鮨(す)し」を展開する荒磯(ありそ)(本社福井県坂井市、道場宏社長)が、ふるさと納税の返礼として福井県三国港産の越前がにコース料理の提供を同駅内の店舗で始めた。2人で28万円と高額だが想定を超す人気ぶりで、東京圏で越前がにのPRに一役買っている。
東京と大阪で4店舗を経営する同社は、春ごろから主要食材に坂井市産を使ったふるさと納税対象メニューを検討。店で出す越前がに料理を市に提案し、認められた。
東京駅構内の「ありそ鮨しグランスタ店」では、寄付金額15万円で越前がにフルコース1人前、同28万円でフルコース2人前を提供。ともに三国港水揚げの越前がに1匹とにぎりずしなどが付く料理で、2人の場合はカニが約900グラムと大ぶりとなる。
これまでに14件の予約が入った。道場絵梨佳取締役は「全て28万円コース。正直1、2件かなと考えていたのでびっくり」と話す。20日に夫婦で訪れたさいたま市の男性は「三国のカニは絶品。コロナ禍で福井へ行けないから、東京で食べられるのは有り難い」と大喜び。初めて坂井市へ寄付したという。
坂井市企画政策課によると2020年度のふるさと納税寄付額約13億円のうち、東京都を含む関東圏からの寄付金が全体の半分を占める。返礼を送付でなく、東京の店で料理で返す例は「今のところ1社のみ」とし、越前がにのPRにもつながると歓迎している。
道場取締役は「コロナ禍で経営は大変厳しく、真剣に対策を練った中で生まれたアイデア。三国ならではの越前がにのPRと地元貢献につながりうれしい」と話す。今後、大阪国際空港店でも提供するという。