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福井県越前町 越前がに初競り 落札額も「極」 漁港沸く 福井の居酒屋 予約客に提供

2021年11月07日

解禁

越前がにの初競りで、過去最高の80万円で落札した最上級ブランド「極」を手にするわらびの中村社長=6日、越前町大樟の越前漁港

 6日行われた越前がにの初競りでは、福井県越前町の越前漁港で最上級ブランド「極(きわみ)」に認定された2匹のうち1匹が過去最高の80万円で落札された。新型コロナウイルス禍が水産業や観光・飲食業に影を落とす中、港を元気づける破格の「ご祝儀」に沸いた。

 落札したのは、居酒屋経営のわらび(福井県福井市)の注文を受けたかねいち水産(越前町)。1.76キロの大物で、これまで最高だった46万円を一気に34万円も上回る額を提示し、漁港内は驚きに包まれた。

 わらびの中村敏明社長(46)は、落札した極を手に「ようやくコロナが落ち着き、客足も戻りつつある。飲食店は元気だとアピールしたい」と笑顔。片町店(福井市)で早速、予約客に提供した。

 店内では拍手と歓声が起き、持ち上げて極の重さや大きさを体感し、記念写真を撮っていた。2カ月ほど前から極を心待ちにしていたという福井市の70代男性は「身がぷりぷりしていて肉厚でおいしい。地元でしか味わえない取れたてを食べられて幸せ」と笑顔を見せた。

 コロナ禍で「魚が売れにくい傾向がまだ続いている」と町漁協。加えて原油高の影響で底引き網漁船の燃料の重油は例年に比べ20~30円上がり、漁師には操業経費が重荷になってくる。

 そんな中で景気よく最高値が出たことに、小林利幸組合長は「コロナをパーッと吹き飛ばすような額。県外にもいい宣伝になるのではないか」と喜んだ。

 極は、ゆでた重さが1.3キロ以上、甲羅幅14.5センチ以上、爪幅3センチ以上の基準をクリアした越前がに。越前漁港でこの日認定されたもう1匹は26万円で落札された。

 県水産課によると、本年度の越前がにの漁獲量は前年度並み、雌のセイコガニは前年度並みかやや上回ると予想している。


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