福井の冬の味覚「越前がに」の漁が11月6日、解禁された。地域の農林水産物のブランドを守る国の「地理的表示(GI)保護制度」に登録されてから初の水揚げで、福井県越前町の越前漁港や坂井市の三国漁港は熱気に包まれた。「極」に認定されたズワイは計2匹あり、三国漁港では過去2番目に高い42万円の値が付いた。越前漁港では35万円だった。
越前漁港では午前9時ごろから昼すぎにかけて漁船が帰港。夕方にはGI登録を記念するセレモニーや初競りがあった。三国港でも午後に2隻が帰港し、競りが行われた。
県水産課によると、水揚げ量は越前漁港のズワイが約4200匹で昨年比4割増、セイコも1割増の約11万900匹。三国港のズワイが昨年比6割減となる約1250匹、セイコは7割減の約7800匹。競り値は最上級ブランド「極(きわみ)」を除くズワイが5千~4万円、セイコが200~2800円だった。
最高値の「極」を競り落とした坂井市のやまに水産の山野仁司社長(49)は「三国のイメージアップにつながる。GI登録が浸透してブランドの価値がさらに上がれば」と期待していた。