「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 「ズワイガニ生態探る」 越前がにミュージアム 初代研究員 大間さん 小学生向け「塾」も
7月にリニューアルオープンした福井県越前町厨の越前がにミュージアム。研究室が新設され、越前がにを育てる初代研究員として元館長の大間憲之さん(68)=越前町小樟=が着任した。「海は身近なものだが、知らないことだらけ。子どもたちに興味を持ってもらいたい」と意気込んでいる。
同館は、担い手育成や越前がにの資源保護などを目的に2000年に開館。大間さんは、03年から09年まで館長を6年間務めた。今回の改修で約45平方メートルの研究室「クラブラボ」が設けられ、大間さんに白羽の矢が立った。「再び海に関わる研究ができてうれしい」と喜んでいる。
主な仕事は、ズワイガニの飼育と研究。卵から稚ガニまで成育段階ごとに水槽を分け、観察しながら育てていく。以前は、卵からふ化した幼生をビーカーで育て、水槽に戻していたといい、「1年ごとに展示することで、成長具合を分かりやすくしたい」と話す。研究目標は「生態の解明されていない部分を見つけること」だという。
飼育はまだ行われていないが、来年2月に産卵期を迎えた後、卵からふ化した幼生を育てていく。同時にえさのアルテミアも培養する必要があり、「実はえさの培養の方が難しい」と打ち明ける。
旧越前町生まれで、長崎大漁業学科卒。研究だけでなく幅広い知識を生かし、来館者への展示説明やイベントを定期開催する。大間さんが講師を務め、越前がになど海に関する知識を幅広く学ぶ「第1回カニ塾」を11日午後1時半から、同館で開く。対象は小学5、6年生で、初回のテーマは「海はなぜ青い?海水はなぜしょっぱいの?」。大間さんは「海のおかげで、越前地区は夏涼しく、冬暖かい。そんな豆知識から子どもたちに学んでもらい、海や漁業に興味を持つきっかけをつくっていきたい」と前向きに話していた。