越前がにの前にベニズワイガニはいかが―。越前町が県内で唯一、水揚げしている場所であることから越前町観光連盟がベニズワイガニのPRに力を入れている。ベニズワイガニは漁期が長く、北陸新幹線県内開業などで客足が増える中、「冬の味覚」の季節以外もカニが楽しめるまちとして周知を図ろうとしている。(渡辺亮)
県によるとベニズワイガニ漁は、県内では越前町の1隻のみが行っている。みずみずしくてしっとりとした甘みが特長で、越前がにとして知られるズワイガニよりも比較的安く手に入れることができる。ベニズワイガニは富山や山陰地方が有名だが、町内の鮮魚店では品質管理の良さや鮮度の高さが人気で、連日多くの人が買い求めに来ているという。
越前がにの漁期が11月6日~翌年3月20日であるのに対し、ベニズワイガニは9月1日~翌年6月末。期間が長く、冬場以外も味わえることから観光連盟が「秋の主役」と銘打ち「越前紅ズワイガニ解禁フェア」を企画した。
チラシを製作し、ベニズワイガニを購入できる鮮魚店や料理を提供している飲食店、旅館など15事業者を掲載。対象店舗ではポスターを掲載してアピールしている。
フェアは越前がに漁が始まる前の11月3日まで。同連盟の担当者は「ベニズワイガニは近年人気が高まっていて、問い合わせも来ている。冬以外にも『カニがあるまち』として認知を広げていきたい」としている。