競り落とすには度胸が必要
中橋睦男
トップページ > ニュース > 2012年1月 > カニ漁あす解禁、近年回復傾向で期待 「重油」も一段落
冬の味覚の王者、越前ガニ漁があす六日、解禁となる。資源保護によって漁は近年回復傾向にあるうえ、今年初めに起きた重油事故も一段落。順調な水揚げが期待されている。漁期は、雌のセイコが来年一月十日まで、雄のズワイと脱皮直後の水ガニが三月二十日まで。
福井県三国町や越前町から五日夜、計約七十隻が出漁。六日午前零時に一斉に網入れし、夕方に寄港した後、今季の初競りが行われる。
解禁を前に、県水産試験場は四日、今年四―十月に行った重油影響調査の結果を公表。カニ漁場を含む水深百―四百五十メートルの海域では海中、海底に重油の痕跡はみられず、島根県沖に沈没したままになっている船尾からの流出油の影響も見られないとした。
県水産課によると、越前ガニの水揚げは昭和五十四年に二百トン余りまで減少したが、漁期短縮などの資源保護により、平成七年シーズンは約五百二十三トン、重油事故など特殊事情があった昨シーズンでも約五百三トンと回復傾向が続いている。
今年は、一月から漁業資源保護を目的に漁獲可能量(TAC)制が導入され、本県のズワイガニ(セイコや水ガニを含む)の水揚げ量は十二月末までで五百二十トンと割り当てられている。昨シーズンの一―三月で約二百五十トン水揚げされているため、年内の水揚げは最大でも約二百七十トンとなる。
ただ、TAC数量は過去の実績を基に決められているため、同課は「漁の制限は必要ないだろう」と話している。