「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 2006年1月 > 越前がになど古里の産業を英語で学習 県教委が教材配布
福井県内の産業や文化を学び英語力を高めてもらおうと、県教委は高校生向けのオリジナル教材を作成し4日、教員対象の説明会を福井市の県教育研究所で開いた。越前がにや眼鏡などがDVD映像とテキストで取り上げられている。教材は県立高の新1年生全員の約5800人に配布する。
実践的なコミュニケーション力などを重視した新学習指導要領が、4月から完全実施されるのに合わせて作成した。身近な産業を知ってもらい、古里の良さを将来的に発信してもらうことも視野に入れている。
県内の高校教諭6人でつくる作成委員会などが1年かけ、内容を練ってきた。2010年度から3年間、県内教員に英語のディベート方法などを指導した立教大の松本茂教授が監修した。県教委によると、地場産業を英語で紹介する教材は全国でも珍しいという。
タイトルは「Fuku―English」。シンガポールの添乗員を、福井市の旅行代理店の女性社員が案内するという構成。越前がにや越前そば、眼鏡、東尋坊、恐竜などが登場する。DVDを見て、テキストで確認して学ぶ。
テキストの越前がにのページでは、三国漁港での水揚げの様子や、ゆでガニ、カニ刺しなどの料理、ブランドを示す黄色いタグなどを写真を交えて英語で紹介している。「boil」などキーワードの説明では、英語で「熱いお湯でゆでること」などと記載している。内容の理解度をみるため、英文の質問もある。
鯖江市が国内最大の眼鏡産地であることや、若狭塗の綿密な手仕事の様子も取り上げた。
DVDでは、県内外の企業で働く本県出身者が福井の良さを英語で語るコーナーが収録されている。テキストはB5判80ページでDVDは88分。
この日の説明会には、英語科主任ら約30人が参加。作成委員を務めた武生高の木下弥教諭と丸岡高の田嶋由美教諭が活用法を説明し、「外国語指導助手と一緒に授業するのもいい」「ディベートの題材にも使える」などと呼び掛けた。参加した教員は「身近な話題が映像で取り上げられ、分かりやすい」「生徒のレベルに応じて使っていきたい」などと話していた。