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中瀬康雄
トップページ > ニュース > 1996年10月 > 越前ガニは高いのか?生態や流通を追跡 全国高校研究大会で発表へ
「越前ガニは高いのか?」という疑問をきっかけに福井商業高の女子生徒八人が、七カ月がかりで越前ガニ(ズワイガニ)を追跡調査、生態や水揚げ、流通実態などを研究論文にまとめた。二十一日に大阪府で開かれる全国高校生商業研究発表大会に同校から初出場し発表する。
この大会は、全国の商業高校を対象に毎年開かれ、今年は大阪府守口市民会館で二十、二十一の両日に三十校が出場する。流通や国際経済、マーケティングなどテーマを自由に選び調査研究。成果を論文とプレゼンテーションで舞台発表する。
同校では山岸良江さんら三年生の女子生徒八人でチームを結成。本県を代表する特産物の越前ガニが「特産なのに、なぜ高根の花になったのか」という素朴な疑問をきっかけに、四月から調査してきた。新谷和明教諭の指導を受け、放課後や夏休みなどを利用。県漁連や県水試、県立大小浜キャンパス、越前港などを回り、カニの生態から水揚げの様子を取材。さらに越前町の仲買人に話を聞き、流通の実態などにも迫った。
論文ではカニの生態から水揚げ量の推移、他県との比較、輸入数量などをグラフ、表を使って解説。県内では水揚げのほとんどが旅館、民宿で消費され、県外へは贈答品に回るだけという流通実態、漁獲量の大幅減少で、操業規制に追い込まれている現実も紹介している。
プレゼンテーションでは、寸劇を披露し、越前ガニについて説明するユニークな形をとる。県立大教授や越前町の仲買人に取材する様子を芝居化、途中にナレーションを織り交ぜカニの生態、流通、水揚げなどを十二分間で紹介していく。
大会に向け連日、寸劇の練習に励んでいる山岸さんらは「カニは私たちにとっても縁遠い存在だったが、よく調べると流通実態が特殊で、取材してみて面白かった。値段的には確かに高いが、それなりの価値があることも理解できた。この七カ月の研究成果を、全国大会で上手に披露したい」と話している。