「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 越前がに漁獲枠120トン追加 水産庁 福井県内今季460トンに 漁業関係者「安定供給めど」
昨年11月の漁解禁後に豊漁が続いた「越前がに」の福井県内の漁獲割当量に関して、国などから120トンの追加配分があった。1月18日までに水産庁が公表した。本県分の今季の当初割当量は雌雄合わせて340.75トンで、昨年末までに既に割当量の約75%を水揚げしていた。追加配分を受け、関係者からは「3月20日の漁期終了まで安定供給できる見通しが立った」と安堵(あんど)の声が聞かれた。
国は資源維持を目的に、県ごとに漁獲制限を設けている。今回配分された120トンと当初割当量を合計すると本県分は460.75トンになり、前季実績の358トンを大きく上回ることになった。
今季の越前がに漁は、11月6日の解禁から豊漁が続き、わずか10日間で漁獲上限の約5割に上った。福井県底曳(そこびき)網漁業協会はシーズン終了前に上限に達する可能性があるとして、漁船1隻当たりの水揚げ量を11月16日から制限。それでも、昨年12月末までの漁獲量は前年同期比13.6%増の254.5トンに達していたことから、漁師からは「(上限量に到達し)漁期の3月まで漁を続けられないかもしれない」といった不安の声が聞かれていた。
本県の状況などを踏まえ、全国底曳網漁業連合会が水産庁に対し、従来は2月中旬に実施される追加配分の決定を早めるよう要請。国の「留保枠」から追加配分することなどが示され、福井を含む日本海側7府県の関係者協議で了承された。県底曳網漁業協会の中野良一会長は「シーズン通して安定供給できる見通しが立った」と話す。
同協会は、11月の漁獲の自主制限に合わせ、雄の漁獲可能サイズを甲羅幅「9センチ以上」から「10センチ以上」に変更していたが、安定供給や資源保護の観点から追加配分後も継続する。2月19日から漁が始まるミズガニも甲羅幅「10センチ以上」から「10.5センチ以上」に変更する。
福井以外で追加配分されたのは、石川県が15トン、富山県が2トン。