漁船と連携し品質を判断
田村幸次
トップページ > ニュース > よっぱらいサバ出荷再開 猛暑から品質回復、3ヵ月半ぶり 福井県小浜市 養殖業者「ほっとした」
海水温の上昇や乱高下により7月初旬から停止していた福井県小浜市のブランド養殖魚「小浜よっぱらいサバ」の出荷が20日、約3カ月半ぶりに再開された。弱っていたサバの品質が戻り、養殖業者は「ほっとした」と胸をなで下ろした。サバを受け取った市内飲食店からは「待ちに待った」と喜びの声が聞かれた。
今年は6月下旬の猛暑で水温が半日に3~4度上下し、サバが死んだり異常行動を見せたりしたため、7月に出荷を停止した。養殖業者の田烏水産(同市田烏)は弱ったサバの回復に努め、9月半ばごろから餌やりを再開。10月に入り水温が下がり、味や身の締まり具合を確認して出荷再開を決めた。
この日は市内のほか京都、石川、栃木の飲食店などから注文があり、午前8時ごろに田烏沖のいけすから500グラム前後の計56匹を水揚げした。同市の若狭フィッシャーマンズ・ワーフ内のレストラン「海幸苑」の店長は「入荷はまだかと聞かれることもあり、提供再開は多くのお客さまに喜んでもらえる」と笑顔で話した。
田烏水産の横山拓也社長は「身の締まりが良く、ほどよく脂が乗り、自信を持って出せる状態。お待たせしてしまったが、再開できて良かった」と胸をなで下ろした。県内や関西などに向け、年内に約3千匹を出荷する予定という。
2年前には夏場の猛暑で4千匹以上が大量死する事態が起きた。今年はその教訓を踏まえ被害は抑えられたが、横山社長は「海の様子は変わってきており、あらゆる知見を持ち寄って対応を考えなくてはならない」と話している。