「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 宿 > 客室 伝統工芸ふんだん 福井県越前町の旅館「かねとも」改装 通年の集客力向上へ
越前海岸を望む福井県越前町厨(くりや)の旅館「越前くりや温泉 料理旅館かねとも」は、丹南地域の伝統工芸を随所に取り入れた客室を整備し7月24日、内覧会を開いた。最上階の4階をフロア丸ごと改装し、インテリアに地元の越前焼や漆器、和紙、打刃物を採用した。福井県の魅力を発信しつつ、冬の越前がにシーズンにとどまらない通年の集客力向上につなげる。
旅館は地元の水産会社かねとも(中橋正人社長)が1989年に創業。北陸新幹線県内開業を見据え、県と町、県観光連盟の補助と助言を受けながら初の大規模改装に踏み切った。
4階には客室3室と天然温泉の大浴場があり、廊下では越前市の墨絵アーティストの手によるモニュメントが出迎える。客室の看板は越前漆器に打刃物の飾りを施した1点物。鍵の持ち手も漆器製という徹底ぶりだ。部屋は、壁紙の一部に越前和紙を取り入れ、部屋用の湯飲みやカップはもちろん越前焼。越前がにの絵をあしらった越前焼の流し台もある。
3室いずれも日本海を一望でき、刻々と変わる海の色にちなむ「碧(あお)の刻(とき)」をフロアのコンセプトにした。自慢の海産物を使った料理にも越前焼や越前漆器を使う予定という。
中橋社長は「伝統工芸を五感で感じてもらい、特別なひとときを過ごしてほしい」と期待を込めた。宿泊は2人部屋で1泊2食付1人3万5千円から。