福井県越前町の新たなご当地グルメ「越前NEW舟盛(ふなもり)」の販売が、町内の料亭や民宿、旅館で始まった。「カニが旨(うま)いまちは、魚も旨い」をキャッチフレーズに、新鮮な刺し身をはじめ手巻きずし、しゃぶしゃぶ、海鮮アヒージョなど味を変えて楽しむことができる。春から秋にかけ、旬の魚介類を豪華に盛った体験型のグルメコンテンツとして定着を図っていく。
越前町は冬の味覚「越前がに」の町として名高い。しかし、カニ以外はアピール度がいまひとつ弱く、年間を通じた集客力が「弱点」(越前町観光連盟)だった。
越前海岸はカニだけでなく、四季を通じて新鮮な魚介類が揚がる。町観光連盟は春、夏、秋にも観光客らに満足してもらえる名物をつくろうと、2年前から専門家や町内の飲食関係者と検討。本県が発祥の地ともいわれる伝統の「舟盛」に、「味変(あじへん)」という付加価値で進化させた越前NEW舟盛を生み出した。
「NEW舟盛」は、越前地区の料亭や民宿、旅館6カ所で販売。▽地元産魚介類が7種類以上▽味変ができる▽せいろ蒸しや海鮮丼など食の体験ができる▽福井米を使用▽4~10月限定―の五つのルールを設けている。店ごとに味の変化のさせ方や体験が異なり、それぞれが楽しみながら完食してもらおうと工夫している。
「越前の宿うおたけ」(厨)で体験できるのは、にぎりずし、手巻きずし、マイ海鮮丼、せいろ蒸し、しゃぶしゃぶの5種類。それぞれ刺し身から好きな魚介類を選んで、好みの方法で食べる。今の時季はホタルイカやフグ、タイなどがお薦め。せいろ蒸しでは旬の野菜も味わえる。
同店は一昨年の秋に試験提供しており、特に子どもたちが喜んでいたという。女将の今村真美子さんは「季節に関係なく多くの人に越前町を訪れてもらい、家族でNEW舟盛を楽しんでほしい」と話していた。
問い合わせは越前町観光連盟=電話0778(37)1234。詳しくは町観光連盟サイトから、NEW舟盛特設ページへアクセス。