トップページニュースその他 > 【福井新聞1面コラム】越山若水(えつざんじゃくすい)◎越前がに

【福井新聞1面コラム】越山若水(えつざんじゃくすい)◎越前がに

2022年03月13日

その他

 「この蟹(かに)や何処(いづく)の蟹百伝(ももづた)ふ角鹿(つぬが)の蟹横去らふ」。「古事記」に載る歌で3~4世紀ごろに応神天皇が詠んだ。カニが初めて文献に登場し、角鹿とは福井県敦賀市の古い名前である。ただし、「角鹿の蟹」の種類はよく分かっていない▼越前がにと紹介されたこともあるが、ズワイガニ(越前がに)の漁業は漁具や漁法が開発された1700年ごろから盛んになったという。水深200メートルより深い海底にすむズワイガニを古代に捕ることは難しいとみられてきた。このため淡水などのカニとの説がある▼ところが福井県立大名誉教授の矢野勲さんは近著の「エビはすごい カニもすごい」で、「角鹿の蟹」はズワイガニと主張する。至る所の干潟や河川で捕れるガザミなどなら、「角鹿の蟹」と記載するのは不自然であるという▼その上で、古代の人々には網や紐(ひも)、糸に加えて石、竹、つるを使った漁具があった。東南アジアに今も伝わるカニ漁の漁具「トラップ網」なら深海でも可能だと論じる。角鹿には古くから角鹿海人(あま)という漁民がいて、トラップ網を知っていても不思議ではないという▼さて、越前がにの漁期が3月20日で終わる。最上級の「極(きわみ)」が解禁早々に過去最高額で落札されて話題を呼んだ。ブランド力が発揮されたが、矢野さんによる「角鹿の蟹」の新たな解釈を契機に、越前がにの知名度がいっそう高まることにも期待したい。


おすすめの宿

おすすめの宿一覧

光風湯圃 べにや

光風湯圃 べにや

3年の構想を経て再建された"老舗旅館"

割烹旅館 越前満月

割烹旅館 越前満月

広大な敷地にわずか9室をしつらえた木造平屋造りの宿。広々とした部屋、和の庭園、贅を尽くした露天風呂付客室がお迎えします。

おすすめの料理店

おすすめの料理店一覧

長者町 いわし屋

長者町 いわし屋

至高のゆで蟹の秘密は絶妙のゆで時間

らでん

らでん

越前がにを極めて30年以上。県内一のかに問屋が営む日本食レストランで、越前海岸と同じ最高の鮮度と味のカニを楽しめる。

旬味 泰平

旬味 泰平

四季折々の旬の味覚を楽しめる店。越前がにを引き立て、より美味しく味わうための“合間の一品料理”にもこだわるおもてなし。

越前がに職人

一覧

「かにまつり」のPRに奔走

池野政義

詳しくはこちら

越前ガニのおすすめ料理

おすすめ料理一覧

越前カニすき

越前カニすき

4人分

ひと味違う越前がにのかにすき