長年の経験と技術でカニの居場所探る
中野良一
トップページ > ニュース > 2023年11月 > 越前がに用 究極フォーク 龍泉刃物(福井県越前市)など開発 チタン製、軽量 刃の厚さ、角度追求 CFで応援購入可能
越前打刃物製造の龍泉刃物(福井県越前市池ノ上町)は、越前がにの身をむくためのシーフードフォーク「グランピーク」を、県内企業と連携し開発した。チタン製のスタイリッシュなデザインで、刃先の形状やしなり具合、握りやすさなどを追求。「むき心地が癖になる」という究極のカニフォークに仕上がった。12月1日まで、福井新聞社などによるクラウドファンディング(CF)サービス「ミラカナ」で応援購入できる。
龍泉刃物は、国内外の有名シェフから高い評価を受けるステーキナイフなどカトラリー製品を主力の一つとして展開。料理旅館の望洋楼(坂井市)から相談を受け、福井が誇る冬の味覚にふさわしいフォークの開発に共同で着手した。軽量化を目指す試作過程でチタン素材に着目。県内チタン加工関連業者でつくる企業グループ「チタンクリエーター福井」の協力を得て、眼鏡加工の溶接技術などを生かして完成させた。
約13gと軽量で、長さは約22cm。握りやすいフレーム状のハンドルの両端にフォークとスプーンが付いている。フォークのそり、刃先の厚さと角度は、甲羅や足の形状に合わせて調整。刃先に入れたスリット(切れ目)は、カニ足のすじだけを残して身が取れる長さにこだわった。テーブルに置いた際に先端が触れないよう形も工夫した。
カニの身は、新鮮で良質なほど殻にくっつきやすいが、チタン素材の弾力性も生かし、「どんなカニでも身がするりとむける」使い心地を実現した。龍泉刃物の増谷浩司会長は「カニ身をむくのに真剣になって会話が減ることもなくなるのでは。カニ好きの人がおいしい食べ方を発見できて、楽しい時間を過ごせる道具にしてもらいたい」と話している。
和洋いずれの料理にも合うデザインで、サザエのつぼ焼きやキャビアスプーンなどの用途も想定。エビの殻むきなど調理器具としても活用できるという。
1月中旬ごろからの一般販売を見込んでおり、予定価格は1万9800円。ミラカナに参画するCFサービス「マクアケ」での応援購入(限定250本)は、割引や越前がにとセットのコースなどがある。