「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 2022年11月 > どよめく漁港幸先良し 越前がに「極」310万円 にぎわい期待
11月6日に行われた越前がにの初競り。福井県越前町大樟の越前漁港で水揚げされた最上級ブランド「極(きわみ)」の1匹に、過去最高の310万円の値が付いた。競り前から仲買人たちの注目を集めていたひときわ大きなカニに、破格の価格が提示されると、同漁港は大きな歓声と驚きでどよめいた。
最高額の極を落札したのは、居酒屋経営のわらび(福井市)の注文を受けたかねいち水産(越前町)。2.2㎏キロの大物で、これまでの最高額だった80万円を4倍近く更新した。
わらびの中村敏明社長は「正直、価格には驚いたが、待っているお客さんに早く提供したい」と笑顔を見せた。7日に福井市内の店舗で予約客に提供するという。越前町漁協の小林利幸組合長は「コロナ禍や北朝鮮のミサイル発射など不安も多い中で、明るい話題になったのでは」と話していた。
このほか越前漁港で水揚げされた極は15万~23万円の値が付き(午後9時時点)、うち1匹は「青汁王子」と呼ばれる三崎優太さんが落札した。
越前町観光連盟によると2020、21年度のカニシーズンの町内宿泊者数は例年の5、6割にとどまった。本年度は10月11日から始まった「全国旅行支援」の後押しもあり、予約数はコロナ禍前の水準まで戻りつつある。「越前の宿うおたけ」(越前町)では11、12月の予約が増え、中には海外からの予約も入っているという。
福井県水産課によると、本年度の越前がには順調に成長した個体が多く、ズワイ、セイコとも前年度を上回ると見込んでいる。