「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 2015年12月 > 越前がにの身 引き立つだし 越前かに成前(福井) こだわり鍋セット販売
福井の冬の味覚・越前がにのおいしさを全国、海外に広めようと「越前かに成前(なりぜん)」(福井市順化1丁目、田畑健太郎社長)は、さばいた越前がにのカニ身と、こだわりのだしを箱に詰めた「かに鍋(なべ)セット」を開発し、販売している。お歳暮をはじめ、贈答用などとして好評を得ている。
構想から2年がかりで開発した。最も力を入れたのがだし作りで、和食、中華、フレンチの各料理人のアイデアを融合。医師にも、うまみ成分の分析を依頼し、上品で繊細な味わいのカニ身が引き立つだしを完成させた。
だしを作る過程で、砕いたカニ殻を用いたのが最大の特色。炒めた後、乾燥、冷凍という工程を経て、昆布やシイタケなどで味付けしたしょうゆベースのだしに合わせた。そうすることで、煮立ててもカニ本来の味を損なわない「越前がにのためのカニ鍋のだしができた」(田畑社長)という。
同社は昨年、さばいたカニ身とカニ酢などをセットにした商品を販売。カニをむくのが苦手な人でも手軽に食べてもらえるようにと開発したもので、今回の鍋セットはその“進化形”。ズワイとセイコの2種類あり、セイコは5杯入り。カニ身やカニみそが入った甲羅は、真空パックにして新鮮さを封じ込めている。
ズワイは1セット2万5千円から、セイコは同1万円から(値段はカニの大きさによって異なる)。香港のデパートにも置いてもらえるよう商談中で、田畑社長は「越前がに本来の味を世界の人に知ってもらえるような商品を、今後もどんどん開発していきたい」と話している。