競り落とすには度胸が必要
中橋睦男
トップページ > ニュース > 福井市産直ECサイト「ふくいさん」1周年 会員千人超 商品も倍増 認知度に課題 PRへ意欲
福井市の産直ECサイト「ふくいさん」が開設1周年を迎えた。市内の農産物や加工品を掲載し、魅力や生産者の思いを紹介。扱う品は100種類以上と当初から倍増した。会員登録数は目標の千人を突破したが、認知度の向上に課題も残る。市は出店者や商品を拡充するとともに、認知度を高め「福井市のファンを増やしたい」と意気込む。
ふくいさんは昨年9月29日にオープン。当初の取り扱いは30団体・個人の約50商品だった。市によると、徐々に品数を増やし、売り上げは今年8月までで約414万円。甘エビや冷凍の地魚刺し身といった魚介類の売れ行きが好調で、今後は購買層が多いとされる肉や魚などの食材、スイーツを拡充していく方針という。
刺し身用の柵が人気のケンスイ(福井市高柳1丁目)は「定置網で取れたおいしい魚をPRする場になった」と話す。顧客の声をダイレクトに聞き、魚種のシールを付けるなど磨き上げにもつながったという。野菜を販売するウエルアオッサ(同市手寄1丁目)は、サイトに登録した利点を「何を目指しているのか、サイトでお客さまに伝えることができる」という。
市は今年3月、出店者向けに商品の磨き上げ勉強会を開き、生産者が魅力的な梱包、お礼状や商品紹介について学んだ。来年からは、市と福井銀行の観光地域商社が官民協働で市特産物の販路開拓に取り組む。ふくいさんと合わせ、両輪で生産者の所得向上を目指す。
課題の認知度向上に向けては、生産者がラジオでPRしたり、市役所内では各部局と連携し、プレゼント企画にふくいさんのクーポンを使ったりしている。利便性向上を図るため決済機能も拡充。ギフト需要を見込み、のし対応も始めた。市の担当者は「おいしいものを探すならふくいさん、と言われるようにしたい」とあの手この手で認知度アップを進めている。