全国にとどろく福井ブランドといえば、冬の味覚の王者「越前がに」だろう...
全国にとどろく福井ブランドといえば、冬の味覚の王者「越前がに」だろう。何しろ受験料三万円、日本一高額な「越前カニ検定」が昨年度開かれた。知名度は高い▼もちろん試験後にはパーティー付き。カニ料理や福井の地酒も楽しめるのだから三万円も仕方ない。それにつけても今やカニは高嶺(たかね)の花になってしまった▼黄色いタグ付き、正真正銘の雄のズワイガニは年に一度お目にかかれば幸い。昔はおやつ代わりといわれた雌のセイコガニでも気合が必要。ボーナスや宴会の時期が相場である▼「ズワイガニもよく食べるんでしょ」。県外の人に聞かれて口ごもる。そんなとき食通で知られる福井県ゆかりの作家、開高健を引き合いに出す。名文とされる「越前ガニ」である▼「雄のカニは足を食べるが、雌のほうは甲羅の中身を食べる。それはさながら海の宝石箱である」「私にいわせると雌のほうがはるかに深く広大で起伏に富んだ味を持っている」▼さらに開高は甲羅を外して、赤くてモチモチした内子や白いベロベロ、暗赤色の外子や緑色のミソを説明。「なおあれがあり、なおこれがある」と最高に褒めそやす▼唾(つば)を飲む”セイコ賛歌”である。ズワイガニに縁遠い人には説得力十分の理由になる。不景気とはいえボーナス時期。今冬のセイコガニは若干高いらしいが、開高がいうところの”海の宝石箱”を味わうのは至福である。
関連するニュース
- 唸り、むさぼる越前がに ふくい文学歳時記 (2013/02/27)
- 泊まるとミズガニ1匹付いてくる 2月1日から越前海岸の宿泊施設 (2013/01/31)
- 解禁セイコガニの食べ方学ぶ 県内中学生「外子の食感がいい」 (2012/11/09)
- 越前がに解禁前にカニあんかけラーメンはいかが? 北鯖江PA上り (2012/10/25)
- 「うららの極味膳」好評、坂井市商工会 越前がにの「かに膳」も (2012/02/06)
- 「蟹のせいろ蒸し」考案 うな信(福井市)が新メニュー (2012/01/19)
- セイコガニ8杯丸ごと「開高丼」 旅館こばせ(福井県越前町) (2011/12/16)
- 越前がに美味しい文で食べた気に ふくい文学歳時記 (2011/12/12)
- ズワイガニなら黄色いタグ付きの越前がにに限る・・・ (2011/12/03)
- 福井県が中3生徒にセイコガニ提供 越前がにの食べ方学んで (2011/11/10)
- 東京で80人が越前がにと地酒堪能 福井の食を体験 (2010/12/01)
- 関連商品棟20、21日に初開放 越前がに直売、福井市中央卸売市場 (2010/11/18)
- 越前がに県内給食で中3生全員に 県と県漁連初企画、食べ方指南も (2010/11/12)
- 越前がに情報満載の雑誌発売 競り、地酒、給食…旬まるごと (2008/02/10)
- 「越前がに」捨てるところなし 甲羅の成分にも注目 (2007/11/26)
- 「赤い、大きな足をとりあげて殻をパチンとわると... (2007/11/07)
- 詩人の田村隆一さんが以前書いていた... 越前ガニ、越山若水 (2000/11/08)
- 越前ガニはこう食べる 福井市の専門学校で講習会 (1998/01/24)
- かにそば(越前町・水仙ランド) 一風変わったつゆ格別 (1997/04/17)
- 食通を誘う不変の味、越前ガニ 無類のカニ好きが太鼓判 (1997/02/06)
- 三国町旅館組合青年部が鯛まま復活 名物料理、全国PRへ (1996/05/21)
- 越前ガニ料理でオリンピックへ 県選手団”お点前”披露 (1996/04/08)
全て見る