「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 2011年6月 > 越前がに漁解禁、坂井・越前町の漁港 セイコガニ豊漁も原油高打撃
日本海の冬の味覚、越前がに(ズワイガニ)漁が六日、解禁された。福井県坂井市三国町や越前町などから八十五隻が出漁し、三国漁港では雌のセイコガニが豊漁。帰港した漁船から次々と水揚げされ、漁港は初競りでにぎわった。一方で原油高の直撃を受けた解禁日となり、船主らは豊漁にも複雑な表情を見せていた。
三国漁港からは五日夜、底引き網漁船十三隻が本県沖に出て、六日午前零時に一斉に漁を始めた。各漁船は雌が豊漁だったため早めに漁を切り上げ、同日昼ごろから相次いで帰港。午後六時からの初競りでは、競り人の威勢のいい声が市場に響いた。
県漁連三国支所によると、雄の水揚げは昨年並みで、競り値は八千―三万円、雌が六百―二千五百円。昨年より二割ほど安く「七日以降も好天が続く見通しのため、初日は様子を見たのでは」としている。県機船底曳網漁業協同組合によると、大型クラゲの影響はほとんどなかったという。
ただ、原油高で操業経費がかさんでいることから船主は「カニは競り値で決まってしまう。他の商品のように自ら値上げできない。経営は大変厳しい」と、解禁初日を素直に喜べない様子だった。
越前町からは五日夜、小型底引き網船四十八隻と沖合底引き網船六隻の計五十四隻が出漁。六日は午後三時までに小型十六隻が帰港した。
大半の船が七日にかけて操業を続けるため、初日の水揚げ量は、雄が約千二百匹、雌は約五万五千匹にとどまった。雄は二万五千―三万二千円、雌は例年より二割高の二千―二千五百円の値がついた。
漁は雌ガニが一月十日まで、雄は三月二十日まで行われる。