長年の経験と技術でカニの居場所探る
中野良一
トップページ > ニュース > 2000年7月 > 越前がに漁あす解禁 雄雌ともに豊漁期待
日本海の冬の味覚を代表する越前ガニ漁が六日、解禁される。福井県の資源量調査では、雄のズワイガニは昨シーズン並みで、雌のセイコガニは三十八年ぶりの豊漁を記録した昨年度よりやや多いという。大型クラゲ(エチゼンクラゲ)の影響もないとみており、好漁が期待される。
解禁日前夜に、坂井市三国町や越前町などから底引き網漁船約八十隻が出港。六日午前零時とともに一斉に網入れを始め、帰港後の夕方に初競りが行われる。
漁期はズワイガニが三月二十日まで、セイコガニが一月十日まで、脱皮して半年以内のズワイガニで甲羅が柔らかいミズガニは十二月二十一日から三月二十日までとなっている。
県機船底曳網漁業協同組合によると、同組合に記録が残る一九六四年度以降、漁獲量が最も多かったのは同年度の千九十一トンで、七九年度には二百十トンまで減少。七〇年代から漁業者らによる資源保護策が強化され、近年は六百トン前後で推移している。
昨年度の漁獲量は、ズワイガニが四百二トン(前年度比二十一トン減)、セイコガニは六九年度以降最も多い百九十三トン(同二十七トン増)。漁獲高はズワイが十三億六千八百万円と過去最高を記録した。県水産課は「資源保護策により比較的大型が増えたほか、景気回復で価格も安定していた」とみている。
三国、越前、敦賀、小浜に水揚げされる越前ガニは、漁獲量が全国三位だが単価は全国一位を誇る。ブランド化を図るため、九七年から全国に先駆けて黄色いタグが付けられた。