越前がにならおまかせ
納谷一也
トップページ > ニュース > 2007年3月 > 越前町漁協が神戸へ新たにカニ2百匹 阪神大震災の仮設住宅へ、重油事故きっかけ
今度は雑炊で越前ガニを味わって―。神戸市のボランティアが九日、阪神大震災の仮設住宅でカニ雑炊をふるまうことになり、同市で越前ガニの安全キャンペーンを行うなど市民と関係を深めている福井県越前町漁協が七日、越前ガニを無料で贈った。
同漁協は、重油流出事故による風評被害で越前ガニの需要が落ちたことから、一月末にJR神戸駅などで「越前ガニ安全キャンペーン」を実施した。これをきっかけに神戸市役所の井口実嬉信・人事課長ら職員の有志八人が、越前ガニを買うことで風評被害から守る手助けになればと「越前ガニを買う会」を結成。二月二十日には水ガニ二千匹、干しガレイ四千五百匹の合わせて約三百五十万円を購入するなど、同漁協と神戸市民との間に強いきずなが生まれていた。
今回、神戸中央市民病院の調理師、地見辰夫さんらでつくる「病院調理師ボランティア会」が九日、同市北区の北神戸第五仮設住宅で雑炊五百人分をふるまうことになり、越前町漁協がカニの無料提供を申し出た。
神戸に運ぶカニのむき身作業は六日、漁協直営店「フィッシャーマンズタウン・越前」で行われた。水揚げされた紅ズワイガニ約二百匹をパートの女性七人が丁寧にむいていった。
直販推進課の柳生信行課長は「神戸市民からは安全キャンペーンのお礼の手紙が来るなど、大いに励まされた。お礼の気持ちも込めて贈るのでみんなで楽しんで食べてもらいたい」と話していた。
カニは宅配便で送られた。