競り落とすには度胸が必要
中橋睦男
トップページ > ニュース > 2005年6月 > 越前がにの歴史迫る 越前町、悠久塾が最終講義
福井県越前町教委が主催し、町内の歴史や自然などの魅力を学ぶ「越前学悠久塾」の最終講義が19日、町織田文化歴史館で開かれた。同教委の堀大介学芸員が「越前蟹(がに)の献上と御食国(みけつくに)」と題し講演。古文書などをひもときながら、越前がにの歴史に迫った。
同塾は昨年5月から、さまざまなテーマで毎月1回開かれてきた。今回は約30人が聴講した。
堀学芸員は、歴史上で最初に「越前蟹」が登場したのは室町時代の文献で、江戸時代には福井の特産物の一つに挙げられていたと説明。献上については、1910(明治43)年元日の福井新聞の記事を示し「東宮殿下が本県の物産展を訪れた際、当時の知事が献上を申し出、現在の四ケ浦から新鮮なズワイガニを献上したのが始まり」と解説した。
また、古事記の応神天皇に関する文中には「敦賀のカニ」を意味する「都奴賀能迦邇(つぬがのかに)」という記述があることを紹介。「このカニがズワイガニかどうかは分からないが、今後の研究調査でズワイガニであることが分かれば、越前がにの歴史は古墳時代までさかのぼる可能性がある」と話した。
講義後には、堀治市教育長から受講者に修了証が手渡された。