トップページニュース > セイコガニ8杯丸ごと「開高丼」 旅館こばせ(福井県越前町) 

セイコガニ8杯丸ごと「開高丼」 旅館こばせ(福井県越前町) 

2011年12月16日

宿

セイコガニ8杯が盛られた開高丼と長谷さん=福井県越前町梅浦のこばせ 熱々のコシヒカリ2合の上に、セイコガニ8杯の内子、外子、足の身を載せる。直径約25センチの丼鉢は山盛りだ。作家の開高健はこれをぺろりと平らげたという。

 ベトナム戦争取材後の1965年12月、開高は雑誌編集者の紹介で、旅館「こばせ」を訪れた。同旅館の長谷政志さん(79)は「カニが食べたい。注文はそれだけだった」と振り返る。座布団ほどの大きな九谷焼の皿に、ゆでたズワイ3杯、セイコ7杯を並べた。開高は日本酒片手に完食した。大食漢だった。

 翌日の夜は焼きガニ、カニ刺しなどのフルコース。次は何にしようか、はたと困った長谷さんは、ご飯の上にセイコの身を載せた丼を出してみた。味付けはカニのだし汁を混ぜたしょうゆのみ。開高はにこにこしながら、幸せそうに平らげた。このときの様子を開高は「決定的で完璧な瞬間。しかもその瞬間が、ああ、切れめなしに、いつまでもつづくのである」と書いている。89年に亡くなるまで、訪れるたびにこの丼を食した。

 開高は長谷さんに、米兵がベトナムの子どもを銃殺した出来事を、悲しみにゆがんだ表情で漏らした。海岸べりのスイセン畑に立ち、光が差し込む海に向かって「おー日本、ここにあり」と、万歳をしながら大声で叫んだこともあったという。多くの死を目にしながら、戦時下のベトナムを生き抜いた開高にとって、漁師町旅館の素朴な料理は、平和と安らぎの象徴だったのかもしれない。

× × ×

 開高丼(2~4人前)は1万1000円。ハーフサイズは6600円で、要予約。ランチタイムは午前11時半~午後2時(チェックアウト)。ランチは12月29日~1月3日まで休み。開高丼の期間は1月中旬まで。越前町梅浦58―8。電話0778(37)0018。


関連するニュース

全て見る

おすすめの宿

おすすめの宿一覧

ホテル割烹 石丸

ホテル割烹 石丸

目の前でさばかれる極上の越前がにに舌鼓。日本海を望む絶景と四季折々の海の幸、心くつろぐ安らぎの時間を味わえます。

割烹旅館 越前満月

割烹旅館 越前満月

広大な敷地にわずか9室をしつらえた木造平屋造りの宿。広々とした部屋、和の庭園、贅を尽くした露天風呂付客室がお迎えします。

越前の宿 うおたけ

越前の宿 うおたけ

熟練の仲買人が営む宿で、越前がにの新鮮さは折り紙つき。自慢の展望温泉にゆったりとつかり、ご褒美のひとときをあじわえます。

おすすめの料理店

おすすめの料理店一覧

紋や

紋や

旬の料理とうまい地酒を味わえる店。地の物、天然物にこだわり抜いた食材が自慢。定番だけでなく独自のカニ料理を堪能できます。

長者町 いわし屋

長者町 いわし屋

心づくしの越前がに料理を味わえる福井駅近くの老舗。夜のコースから昼食まで伝統と格式あふれる落ち着いた雰囲気とおもてなしでお迎えします。

越前 蟹の坊

越前 蟹の坊

三国の“おいしい”を詰め込んだ土産物とお食事の店。望洋楼のオリジナル商品や、新鮮な地元の海の幸を使った丼メニューはバラエティー豊か。

越前がに職人

一覧

「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献

壁下誠

詳しくはこちら

越前ガニのおすすめ料理

おすすめ料理一覧

越前がに甲羅蒸し

越前がに甲羅蒸し

4人分

セイコガニたっぷりの贅沢な一品

越前かにニュース (月別アーカイブ)