越前がにならおまかせ
納谷一也
トップページ > ニュース > 食 > 越前がに 通年で味わって 福福館 特殊冷凍技術で提供 新幹線見据え 豪華セイコセットも考案
福井市観光物産館「福福館」は、シーズン以外にも越前がにを味わいたいという観光客のニーズに応えるため、特殊な冷凍技術で通年提供している。今シーズンは、北陸新幹線開業に向けた需要の高まりを見据え、セイコガニの仕入れを当初の1.5倍に増やし、釜飯や甲羅盛りなどのセットメニューも開発。担当者は「多彩な観光ニーズに応えられるメニューを取りそろえていきたい」と話している。
ハピリン2階にある同館は2016年に開業。大津屋(同市)が市から委託を受け、県内特産の加工食品、工芸品、青果などの物販のほか、郷土料理などを扱う飲食スペースを運営している。
シーズン以外での需要に応えるため4年前から、特殊な冷凍技術で越前がにを提供している。水の分子を等間隔にして凍らすことで、食感や風味の劣化を抑えることができるという。観光客の中には、冬季期間のみの漁期を知らない人も多く、11月からのシーズン以外では5月の大型連休期間を中心に人気を集める。用意した数千杯が夏前になくなった年もあったことから、今シーズンは当初の1.5倍まで仕入れを増やした。
毎年11月のメニュー見直しに合わせ、これまで単品提供していたセイコガニメニューを一度に味わえるセット「越前せいこがにづくし」を考案。甲羅盛りや釜飯、丼、鍋が一度に味わえる豪華な内容で、1人前税込み8千円(注文は2人前から)。おろしそばや郷土料理の小皿なども付けた。
同館が提供する定食などは千円台が中心だったが、今回の見直しで、郷土料理のセットなど2、3千円台のメニューもそろえた。同社の小川明彦社長は「新幹線開業でこれまでより幅広い客層の来福が予想される。初めての福井だったり県外の友達をもてなしたりといった『せっかく』の機会に利用してもらえるよう、観光客目線の改良を続けていきたい」と話した。