トップページニュース2006年10月 > 越前がに海産物の王、うま味格別 若越おさかな食文化誌

越前がに海産物の王、うま味格別 若越おさかな食文化誌

2006年10月28日

歴史

越前がにの競り風景 「越前がに」は標準和名ズワイガニのオスに対する当地での呼び名である。ズワイガニのメスは「せいこ」と別名で呼ばれ、卵を持つ「背負い子がに」に由来し、「せおい子」から、さらに短縮されて「せいこ」となった。ちなみに山陰地方では、ズワイガニのオスを「松葉がに」と呼ぶ。

 古事記に、応神天皇が、山城の小幡村(こはたのむら)で美麗な乙女矢河枝比売(やかはえひめの)命(みこと)と出会い、食事をしたときに「この蟹(かに)や いづくの蟹 百傳(ももづた)ふ 角鹿(つぬが)の蟹 横去らふ いづくに到(いた)る…」と詠まれたとある。ここに登場する「角鹿(敦賀)の蟹」を越前がにと結び付けたいところだが、古事記が編纂(へんさん)された八世紀初頭の漁獲技術では越前がには捕れなかったであろう。それでも越前とカニを結びつける話として興味深い。

 漁具・漁法の発達を考えると、カレイなどの底魚に混じって越前がにが漁獲されるようになったのは中世以降であろう。室町時代、京の公家に若狭から大蟹が贈られたとの記録がある。この大蟹は越前がにであったと思われるが、確証はない。

 江戸時代の小浜の様子を伝える「稚狭考」(一七六七年)に「蟹は仲哀の御製にありて越前に名あり、本国にありても越前沖に鰈(かれい)を網し、後にて其(そ)網に懸(かか)り来て賞せらる」とある。仲哀天皇の御製は間違いで、先に示した応神天皇の御製のことと思われるが、カレイと一緒にカニが捕れたという。「日本山海名産図会」(一七九九年)の若狭鰈の項に「海岸より三十里ばかり沖にて捕るなり。其(その)所を鰈場といいて若狭、越前、敦賀、三国の漁人ども手繰網(てぐりあみ)を用ゆ。…網中に混り獲る物蟹多くして尤(もっとも)大也(なり)」とある。これらは間違いなく越前がにである。

 江戸時代には、各地の名産品が幕府へ献上されていた。越前がには越前福井藩の名産品にもかかわらず献上されていない。それは、越前がにが塩蔵品や乾燥品に加工できないこと、加えて、鮮度低下が早く、品質を確保しつつ遠路運搬できなかったためと考えられる。

 幕末、大野藩の役人がズワイガニやセイコを浦から買い上げたという文書が残っている。当然のことながら、地元ではそれなりに流通していた。

 第二次世界大戦後、しばらくの間、豊漁が続いた。これは戦時中に漁獲できなかったことが幸いし、資源量が増大したためと思われる。その当時「せいこ」は子供のおやつであったと聞く。うそのような話である。だが近年、漁獲量は激減し、値段も高くなり、陸(おか)のマツタケと同様、高根(値)の花となった。

 越前がに資源を保護するため、漁獲時期の限定など、できるだけ資源にダメージを与えないように配慮がなされている。十一月六日はカニ解禁日。高値のため買うことはないのだが、それでも初競りを心待ちしている。(文と写真、吉中禮二・県立大生物資源学部教授)


おすすめの宿

おすすめの宿一覧

ホテル割烹 石丸

ホテル割烹 石丸

目の前でさばかれる極上の越前がにに舌鼓。日本海を望む絶景と四季折々の海の幸、心くつろぐ安らぎの時間を味わえます。

荒磯亭

荒磯亭

日本海の絶景を独り占めする露天風呂。越前がにのうま味を最大限に引き出したオリジナル料理の数々を楽しめます。

越前の宿 うおたけ

越前の宿 うおたけ

熟練の仲買人が営む宿で、越前がにの新鮮さは折り紙つき。自慢の展望温泉にゆったりとつかり、ご褒美のひとときをあじわえます。

おすすめの料理店

おすすめの料理店一覧

越前 蟹の坊

越前 蟹の坊

三国の“おいしい”を詰め込んだ土産物とお食事の店。望洋楼のオリジナル商品や、新鮮な地元の海の幸を使った丼メニューはバラエティー豊か。

らでん

らでん

越前がにを極めて30年以上。県内一のかに問屋が営む日本食レストランで、越前海岸と同じ最高の鮮度と味のカニを楽しめる。

長者町 いわし屋

長者町 いわし屋

心づくしの越前がに料理を味わえる福井駅近くの老舗。夜のコースから昼食まで伝統と格式あふれる落ち着いた雰囲気とおもてなしでお迎えします。

越前がに職人

一覧

「越前がには日本で一番おいしいカニ」

田村幸一郎

詳しくはこちら

越前ガニのおすすめ料理

おすすめ料理一覧

カニのあんかけチャーハン

カニのあんかけチャーハン

2人分

カニチャーハンにとろ~り、あんをかけてプロ風の仕上がりに。

越前かにニュース (月別アーカイブ)